心臓
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一般演題
タイムドメイン解析によるT-wave alternans : オルタナンス電位に関する検討
榊 桂池田 隆徳三輪 陽介宮越 睦石黒 晴久塚田 雄大阿部 敦子米良 尚晃中村 健太郎柚須 悟吉野 秀朗
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2009 年 41 巻 SUPPL.1 号 p. S1_23-S1_27

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抄録
【目的】スペクトル解析によるT-wave alternans (M-TWA) が突然死の予知に用いられている. 現在, Holter心電図波形をタイムドメイン解析する簡易なTWA (TD-TWA) も使用可能である. 本研究の目的は, TD-TWAのオルタナンス電位 (Valt) を疾患別に評価することである. 【方法】対象は, 心筋梗塞 (MI群), 拡張型心筋症 (DCM群), あるいは原因不明の失神発作 (失神群) を有した234例である. MI群は, 左室駆出率 (EF) 40%以上と以下の2群に分けられた. TD-TWAの評価にはValtの最大値が用いられた. 【結果】全対象患者のValtの平均値は49±18μVであった. TD-TWAのValtはこれまで報告されたMTWAよりも約10倍高値であった. MI+EF≤40%群とDCM群のValtは, MI+EF>40%群と失神群よりも有意に高く (p<0.01), MI+EF≤40%群とDCM群の間では差はなかった. 【結語】TD-TWAによるValtはM-TWAよりも明らかに高かったが, M-TWAと同様に心機能の低下した心疾患患者で高くなることが示された.
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© 2009 公益財団法人 日本心臓財団
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