心臓
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第21回 心臓性急死研究会
CPA発症またはICD治療された冠攣縮性狭心症患者の臨床的特徴
西崎 光弘
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2009 年 41 巻 SUPPL.3 号 p. S3_102

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抄録
 目的 : CPA発症またはICD治療された冠攣縮性狭心症 (VSA) 患者の臨床的特徴を明らかにすること.  方法 : 冠攣縮性狭心症研究会の参加施設を中心として, 上記VSA患者30例を対象として, アンケート調査により臨床的背景, 冠攣縮発作状況, CAG・EPS所見, CPA発症・ICD作動状況等を検討した.  結果 : ①50歳代をピークとする中高年齢層, 男性 (飲酒+) に好発し, 基礎心疾患を有する例は稀であり, しばしば上室性不整脈を合併した. 器質的冠狭窄 (+) 例はほとんどなく, 冠攣縮部位はLADに高率であった. 冠攣縮自然発作時や誘発時にはVT/VFの出現率が高かった. ②CPA発症は1~4月, 早朝から午前中および夕刻, 覚醒時 (活動時) に出現しやすく, 多くはVFが原因であり, 薬物投与下にもみられた. ③EPSによりVT/VFはしばしば誘発され, 薬物投下でも認められた. ④ICD作動 (33%) は, 薬物投与下にても認められ, 半数以上がVFに対する除細動であった.  結語 : VS患者の突然死 (SCD) のハイリスク例では, しばしば薬物投与のみではSCD予防は困難であることが示唆された.
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© 2009 公益財団法人 日本心臓財団
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