心臓
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第21回 心臓性急死研究会
17秒のRR間隔の延長に自律神経の関与が強く示唆された1例
新倉 寛輝野呂 眞人林 典行久次米 真吾森山 明義沼田 綾香熊谷 賢太酒井 毅中江 武志手塚 尚紀坂田 隆夫杉 薫
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2009 年 41 巻 SUPPL.3 号 p. S3_159-S3_165

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抄録
 心臓性急死の多くは頻脈性不整脈であるが, 徐脈性不整脈による突然死の報告も散見される. 徐脈性不整脈の原因として器質的障害の場合と自律神経に起因する機能的障害の場合がある. 器質的障害の場合には, 恒久的に徐脈が認められるが, 自律神経に起因する場合には, ある特定の条件下でのみ徐脈が出現するため, 診断が困難な場合が多い. また, 従来の自律神経解析には高速フーリエ法が用いられてきたが, 最大エントロピー (MemCalc) 法を用いたより詳細な自律神経の解析が可能であることが示唆されている.  症例 : 患者は68歳の女性. 既往歴は特にない. 1年前より座位中に失神発作が2回あり, 精査のため受診. 標準12誘導心電図では異常がなく, Holter心電図で17秒のRR間隔の延長で示される洞停止または洞房ブロックが認められた. このRR間隔の延長の前に脈拍が上昇し, その後, 徐々に脈拍が低下して17秒の洞停止または洞房ブロックにいたっていた. 電気生理学検査では除神経後の最大洞回復時間が2,447msであり, 亜硝酸薬投与下でのhead up tilt testは陰性であった. MemCalc法を用いた自律神経解析では失神直前の副交感神経の指標であるHFと交感神経の指標であるLF/HFがともに低値を示していた. ペースメーカー植え込み術を施行し, その後失神症状は認められていない.  結語 : Holter心電図で17秒の洞停止または洞房ブロックが認められ, HF, LH/HFともに低下していた. 従来の自律神経が関与する徐脈とは異なる機序が強く示唆された症例であったので報告した.
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© 2009 公益財団法人 日本心臓財団
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