心臓
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標準12誘導心電図・心音図同時記録法によるS3強度, S4強度の有用性
沢山 俊民須藤 二朗
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2010 年 42 巻 SUPPL.1 号 p. S1_13-S1_18

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抄録

背景: 従来, 心電図と心音図はそれぞれ別途に記録されていたが, このたび, 開発中である12誘導心電図と心音図を同時に自動記録する検査法の有用性に着目した.
目的: 本法で自動計測されるS3強度, S4強度の有用性を高血圧, 心房細動を対象に確認すること.
方法: 2007年10月から2008年1月の期間にさわやまクリニックに来院した患者124名を(1)高血圧群, (2)高血圧+その他疾患群, (3)その他疾患群, (4)非疾患群, (5)心房細動群に分類し, 各群間でS3, S4強度を比較した.
結果: S4強度は, 平均が(1)5.56, (2)6.68, (3)5.01, (4)4.66であり, 高血圧群+心疾患群, 高血圧群と順に有意に高い傾向を示した.S3強度は, 平均が(4)3.82, (5)5.77であり, 心房細動群が有意に高かった.
結語: 以上の成績から, 心音同時記録によるS3, S4の自動検出は, 心電図とは異なった機械的現象の把握という側面から心臓の病態を反映している可能性が示唆された.

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© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
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