心臓
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第22回 臨床不整脈研究会
致死的不整脈に対するニフェカラントおよびアミオダロン有効性の検討
山嵜 継敬高橋 英雄津田 泰任猪原 実塗木 裕也工藤 真大村井 治塚本 喜昭大村 延博
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2010 年 42 巻 SUPPL.4 号 p. S4_117-S4_122

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抄録
[背景] III群静注薬であるニフェカラントおよびアミオダロンは院外心肺停止症例に対して優れた効果を持つことが報告されているが, 心原性心室頻拍(VT), 心室細動(VF)に対する効果を比較検討した報告はまだ少ない.
[目的] 当院内で発生した心原性VT, VFに対するニフェカラントおよびアミオダロンの有効性を評価した.
[対象] 2003年1月から2009年12月までに, ニフェカラントあるいはアミオダロン静注薬を使用した電気的除細動抵抗性無脈性VT, VF症例中, 院内で発症し基礎心疾患をもつ40例を対象とした. 48時間以内に無脈性VTおよびVFが停止し再発を認めなかった症例を有効とした.
[結果] 40例中ニフェカラント使用群は29例, アミオダロン使用群は11例であった. 有効率はニフェカラント群で49%(14例), アミオダロン群で73%(8例)であった. また, 30日後の急性期生存率はニフェカラント群で59%(17例), アミオダロン群で91%(10例)であった.
[結語] 致死的心室性不整脈に対して両薬剤とも良好な有効率を得ることができた. 特にアミオダロン群は高い有効率が得られたが, 使用例も少なく今後さらなる検討が必要と考えられた.
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© 2010 公益財団法人 日本心臓財団
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