心臓
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第23回 心臓性急死研究会
若年女性の鼻中隔弯曲症手術全身麻酔導入時, 心肺停止をきたしたが蘇生に成功した1例
植島 大輔吉村 浩司郎三輪 尚之杉山 浩二志 吏左神田 孝茂青柳 秀史倉林 学畔上 幸司伊藤 敏孝武居 哲洋八木 啓一沖重 薫
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2011 年 43 巻 SUPPL.2 号 p. S2_192

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抄録
症例: 19歳, 女性, 他院の耳鼻科で鼻中隔弯曲症手術施行に際し, 全身麻酔導入後, 鼻腔内へ, キシロカイン, コカイン含有ガーゼの表面麻酔時, エピネフリン入りキシロカインの局注直後に急激な血圧上昇(200mmHg)および頻脈(150bpm)発生. その後, 改善したため手術開始するも, 開始約10分後, 急激な血圧低下(収縮期: 約50mmHg), 著明徐脈(50bpm以下)を経て, PEAとなったため, 当院へ緊急搬送された. 来院時の心電図では心室細動であった. 直流除細動後にPCPS, IABP治療導入. 緊急冠動脈造影で有意狭窄なく, 左室造影検査でEFは約10%で心尖部のみわずかに収縮. 上記, 維持療法継続により第3病日より心収縮能が徐々に改善し, 第4病日にはEF40%程度まで改善したため, PCPS離脱, 翌日にはIABP抜去, 人工呼吸器離脱となった. 第16病日に, 特に後遺症なく退院した. 原因として, 冠動脈攣縮が疑われた.
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© 2011 公益財団法人 日本心臓財団
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