抄録
症例: 69歳, 男性. 2008年より労作時の胸痛あり. 冠動脈に有意狭窄なく, 胸痛に一致して右脚ブロック型·左軸偏位の薬剤抵抗性心室性期外収縮(VPC)を認めたため, 同年9月, カテーテル焼灼術を施行. 左脚後枝領域(Purkinje電位記録部位)の焼灼でVPCは消失. しかし, 約半年後よりほぼ同型の有症候性VPCが出現したため, 2010年4月, 2nd sessionを施行.
VPCは右房頻回刺激後に稀に出現するのみであり, pace mappingを施行. 左室中中隔からやや自由壁寄りの部位でgood pace mapが得られた. 心エコーにてカテーテル先端は左室後乳頭筋付着部位に位置していた. VPC時, 同部位の局所電位はQRS起始部から14ms先行していたが, Purkinje電位は認めなかった. 同部位の焼灼でVPCは消失. 翌日の心エコーにて, 後乳頭筋焼灼部位にエコー輝度上昇を認めたが, 僧帽弁逆流はみられなかった. その後, VPC再発は認めない.
総括: 初回焼灼術の半年後に再発を認めた難治性左室後乳頭筋起源VPC症例であり, 術中·術後の心エコーは焼灼部位の同定·観察に極めて有用であった.