心臓
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第25回 心臓性急死研究会
多形性心室頻拍の契機となるLV summit領域の心室性期外収縮にカテーテルアブレーションが奏功した 1例
勝海 悟郎池主 雅臣飯嶋 賢一佐藤 光希和泉 大輔渡部 裕古嶋 博司南野 徹
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2013 年 45 巻 SUPPL.2 号 p. S2_19

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抄録

 流出路起源の 2種類の心室期外収縮 (PVC-1・2, LBBB型+下方型, 連結期440.480ms) を契機に発症する多形性心室頻拍 (p-NSVT) で紹介された60歳, 男性. 失神の既往があったが, 器質的心疾患はみられなかった. Ⅰ誘導の極性はPVC-1が陰性, PVC-2は陽性であった. p-NSVT開始様式には同波形のPVCが連発するものと, 2種類のPVCが交互に生じるものが含まれていた. 心内膜マッピングで低電位領域はみられなかったが, 心室早期刺激で心室細動が誘発された. PVC-1の心内膜最早期興奮部位 (EAS : .30ms) は大動脈弁直下の左室流出路前壁であった. 冠静脈洞内のEAS (.35ms) は心内膜EASの対側で, 同部のpace mappingはVPC-1に一致したが冠動脈・冠静脈の損傷を考慮して通電は行わなかった. 心内膜EASに対して通電 (30.40W) を行うとPVC-2の消失とともに, PVC-1の著減と連結期延長 (500ms) がみられた. その後, 失神の再発・ICD作動は認めていない. 本例はLV summit領域からのp-NSVTで, 2種類のPVCはともに不整脈基盤に関与していたことが示唆された.

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© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
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