心臓
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第25回 臨床不整脈研究会
右室単発早期刺激により明瞭なcoved型そしてsaddleback型心電図が得られたBrugada症候群の1例
中川 晃志永瀬 聡和田 匡史田中 正道西井 伸洋渡邊 敦之中村 一文森田 宏河野 晋久草野 研吾大江 透伊藤 浩
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2013 年 45 巻 SUPPL.3 号 p. S3_143-S3_148

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抄録
症例は62歳, 男性. 早朝の苦悶様呼吸に続く呼吸停止疑いのため近医受診し, Brugada症候群疑いにて当院紹介入院. 心電図では完全右脚ブロックを合併することもありBrugada型心電図との診断が容易ではなかった. 電気生理学的検査時, ピルジカイニド1mg/kgを投与したが, やはり明瞭なBrugada型波形が得られないため, 完全右脚ブロックの状態を是正する目的で右室心尖部より単発早期刺激を加えた. すると刺激間隔の短縮に伴いcoved型そしてsaddle-back型の比較的明瞭なBrugada型心電図を得ることができた. 完全右脚ブロックを伴いBrugada型心電図の診断が困難であったが右室心尖部単発早期刺激によりBrugada型心電図が明瞭化され, また, 相対的な右室伝導遅延の改善に伴いcoved型からsaddle-back型に心電図が変化したBrugada症候群の 1例を経験したので報告する.
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© 2013 公益財団法人 日本心臓財団
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