心臓
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第26回 心臓性急死研究会
致死的不整脈を合併した筋ジストロフィーの2症例
松下 紀子佐藤 俊明金谷 允博百瀬 裕一長岡 身佳樋口 聡星田 京子宮越 睦三輪 陽介上田 明子副島 京子吉野 秀朗
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2014 年 46 巻 SUPPL.2 号 p. S2_134-S2_139

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抄録
 症例1 ; 45歳男性. 30歳時, Becker型筋ジストロフィーと診断された. 43歳時, 電車内で心停止となりAEDによりVFは除細動され自己心拍が再開した. ICD植え込み後, 外来に通院中.  症例2 ; 50歳女性. 34歳時, 完全房室ブロックに罹患し恒久型ペースメーカー植え込み. 翌年, 筋強直性筋ジストロフィーと診断された. 47歳時, 自宅で失神, 救急外来受診後再び失神. モニター心電図上VTであり, CPRを受け自己心拍が再開した. ICD植え込み後, 外来に通院中.  筋ジストロフィーは, 進行性の遺伝性神経筋疾患であり, 心疾患を合併することがある. 拡張型心筋症様の心機能低下を呈することがあるほか, 房室ブロックや心室性不整脈により突然死することが知られている. その二次予防については一般的なガイドラインに基づいているものの, 一次予防に関する一定の見解はない. 筋ジストロフィー患者のデバイス植え込みについて文献的考察を踏まえ報告する.
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© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
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