心臓
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一般演題
奇静脈へのショックリードの追加が除細動閾値の低下に有用であった1例
中村 玲奈水上 暁大野 真紀鈴木 誠
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2014 年 46 巻 SUPPL.3 号 p. S3_199-S3_202

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抄録
 症例は70歳男性. 陳旧性心筋梗塞にて冠動脈バイパス術後. 持続性心室頻拍に対しアブレーション後に左鎖骨下にICDを挿入し (Lumax 740 DR-T, Biotronic), dual coilの右室リードを低位中隔に留置し, DFTが問題ないことを確認した. 約1年後にVTに対する適切作動があり, ATP, 6 J, 14 J, 40 Jで停止せず, 2回目の40 Jにて停止し, high DFTに対する対応が必要となった. 薬物調整や除細動の伝達経路を変更しても十分な閾値は確認されなかった. 中隔の右室リードを心尖部へ変更しても効果はなく, 奇静脈にリードを追加したところ, RV→奇静脈+Canにて16 Jで除細動されることを確認した. High DFT患者において, 心臓後方にある奇静脈にショックリードを追加することにより, 良好な閾値を得られる1例を経験した. DFTを低下させる選択肢の一つとして有用であると考えられた.
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© 2014 公益財団法人 日本心臓財団
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