背景 : 10代の心原性院外心肺停止の症例数は少なく報告は限られている. 過去6年間の当院の症例を検討する.
対象 : 2009年1月から2014年8月までに当院救命センターに搬送された10代の心原性院外心肺停止症例の全6例.
結果 : 発症は学校で5例, 自宅で1例. 学年別では高校生5例, 小学生1例であった. 転帰は2例で救命に成功し独歩で退院となった. 救命し得た1例は急性期に多形性心室頻拍を認め, ICD植え込みを行った. もう1例は冠攣縮性狭心症の診断で内服加療中である.
結論 : 1) 6例のうち, 学校で発症した5例中2例では現場で迅速にAEDが使用され, 病院到着前に除細動された. 救命には早期の除細動と現場での蘇生処置が予後の改善に重要である. 2) 6例はいずれも事前の検診でQT延長症候群, Brugada症候群などの心電図異常や突然死の家族歴は指摘されていないか, 精査中の症例であった. 事前に突然死症例を認識することは現時点では困難であった.