2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_87
【背景】静注アミオダロン (AMD) 不応性心室頻拍 (VT) の特徴は, 明らかではない. 本研究の目的は, AMD不応性VTストームの頻度, 特徴, 治療方針を検討することである.
【方法】対象は, 2007年から2012年までにVTストーム (24時間で3回以上のVT) に対しAMDが投与された30例 (68±12歳, 女性7例) (虚血性12例, 非虚血性18例) である. 有効群と不応群の特徴を比較した.
【結果】不応群は9例 (30%), 急性心筋梗塞5例, 肥大型心筋症2例, 弁膜症2例で, 再灌流療法, 開心術, 心不全増悪後に発症した. 不応群のトリガー期外収縮およびVTのQRS幅は, 有意に有効群より狭かった. (121±14 vs. 179±22ms, P<0.01 ; 140±30 vs. 178±25ms, P<0.01) 不応群には, メキシレチン追加投与とPurkinje指標アブレーションが有効であった.
【結語】AMD不応性VTストームは, Purkinje起源期外収縮をトリガーとする比較的幅の狭いQRS頻拍であることが示唆された.