2015 年 47 巻 SUPPL.1 号 p. S1_88-S1_92
71歳男性. 61歳で前壁中隔心筋梗塞の既往がある. 気管支喘息治療を受けている.
めまいがあり, 自己血圧測定ができないために医療機関を受診したが低血圧や神経症状を認めず自宅療養を指示された. その後4日間症状が改善せず当科を受診した. 来院時, 意識清明で血圧122/72mmHg, 脈拍122毎分. 心電図で右脚ブロック, 不定軸, 毎分176の心室頻拍VTを認めた. ニフェカラント, アミオダロンの静脈内投与は停止に至らず, 直流除細動後もすぐに再発. ニフェカラント追加後に再度除細動しCCUに収容. しかし深夜に再びVTとなり持続し第2病日にアブレーションを行った. VTの興奮様式は左室自由壁からのcentrifugal patternを示し, Scarの境界領域で早期性のある分裂電位部分への通電で停止を繰り返しながら, 頻拍は徐々に波形が変化し誘発不能となった. ICD植え込みして現在に至っている. 考察を加えて報告する.