2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_113-S2_118
症例は61歳男性, 頻脈誘発性心筋症を併発した薬剤抵抗性の持続性心房細動に対して, 肺静脈隔離, 左房天蓋部線状焼灼, 三尖弁-下大静脈峡部線状焼灼を行った. 2カ月後, 心房細動が再発しており, 電気除細動を施行するも, 洞調律復帰は得られず, 2nd sessionを行った. 肺静脈隔離を確認後, 左房voltage mappingにて, 右下肺静脈後方にDamaged Area (0.03mV未満) を認めたため, Box Isolationを行った. その後も心房細動は停止せず, 僧帽弁輪峡部に線状焼灼を追加したところ, 心房頻拍に移行した. 冠静脈遠位部からのPost Pacing Intervalが最も近かったため, 僧帽弁輪峡部を回路に含む心房と判断した. しかし, 心内膜側からブロック作成は困難であり, 冠静脈内より通電を行い, ブロック作成に成功した. その後, 外来にて心房細動の再発は認めず, 心機能の改善を見ることができた. 難治性, 持続性心房細動に対し, 有効なアブレーション治療を行うことができたため, 報告する.