心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
第27回 臨床不整脈研究会
心腔内超音波にて頻拍起源と心内構造物との関連が明らかとなった運動誘発性左室前乳頭筋起源心室頻拍の1例
飯田 剛幸森田 典成上野 亮小林 義典
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_170-S2_175

詳細
抄録

 53歳, 男性. 労作時胸部不快感にて, 運動負荷テストを施行. 負荷中QRS波形が右脚ブロック型, 下方軸の心室期外収縮の頻発から心拍数153回/分の心室頻拍 (VT) への移行を認めるも, 負荷中止にて自然停止した. 心臓超音波検査では構造的心疾患を認めなかった. EPS時, 心腔内超音波 (CARTO SOUND : CAS) にて左室Geometryを作成後, イソプロテレノール投与下に心室期外刺激にてClinical VTは誘発されるも, すべて自然停止し持続しなかった. Activation map作成は困難であり, pace mapによりVT起源を検索した. 前乳頭筋基部にてQRS波形の良好な一致を認め, CAS上カテーテル先端が同乳頭筋基部へ接するリアルタイムの画像所見が得られた. リアルタイム画像を元にした同部位および周辺への焼灼にて以後VTは誘発不可能となり, 再発を認めず経過している. CASによりVT起源と左室内特異的構造物との関連が明瞭化され, CASの使用が焼灼に有用であった左室前乳頭筋起源心室頻拍の1例を報告する.

著者関連情報
© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top