心臓
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第27回 臨床不整脈研究会
心臓再同期療法が奏功したラミンA/C遺伝子関連拡張型心筋症の1例
下島 桐若月 大輔辻内 美希倉田 征昭南雲 さくら佐藤 千聡水上 拓也笹井 正宏久野 越史池田 尚子野木 彩夏前田 敦雄前澤 秀之若林 公平礒 良崇佐藤 督忠江波戸 美緒鈴木 洋東 祐圭
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2015 年 47 巻 SUPPL.2 号 p. S2_71

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抄録

 症例は45歳男性. 39歳時にⅡ度房室ブロックを指摘された. 40歳時に持続性心房粗動を合併, 通常型心房粗動をアブレーションした. しかし, 房室ブロックによる徐脈で心拍数30bpm前後で経過, ABLの6日後にDDDペースメーカー植込み術を施行した. このときのEFは40%であった. 父がペースメーカー植込み後, また兄も房室ブロックを指摘されていた. 遺伝子検索の結果ラミンA/C遺伝子異常が指摘された. 42歳時より発作性心房細動を合併し, 43歳時には心房細動は慢性化した. 44歳時心不全で入院. その後も心不全のコントロールがつかなかった. UCG上LAVI 45mL/m2, LVDD 65mm, EF 24%, 全周性の壁運動低下, 壁のひ薄化を認めた. 2014年8月CRT-D植込術施行. 心不全症状の軽快, BNPの低下 (605→240pg/mL), EF 30%に上昇し, 心臓再同期療法が奏功したと判断した. 房室ブロック, 心房粗動で発症し, 徐々に心機能が低下, 心臓再同期療法が奏功したラミンA/C遺伝子関連拡張型心筋症の1例を経験したので報告する.

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© 2015 公益財団法人 日本心臓財団
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