心臓
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第28回 心臓性急死研究会
左主幹部病変による心筋梗塞を合併した急性大動脈解離に対する治療戦略
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2016 年 48 巻 SUPPL.1 号 p. S1_40-S1_46

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抄録

 大動脈解離に合併した心筋梗塞に対する治療は外科的手術が第一選択とされるが経皮的冠動脈形成術 (PCI) を行い良好な経過を得た報告もある. 左主幹部 (LMCA) 病変による心筋梗塞を合併した急性大動脈解離を2例経験し, 1例に対し緊急手術を, 1例に緊急PCI後に待機的手術を行い相反する転帰を得た. 1例は大動脈弁輪拡張症 (AAE) によるA型解離にLMCAを責任病変とする心筋梗塞を合併した20歳代男性で緊急手術を行ったが広範な心筋梗塞による心原性ショックで第2病日に死亡. 2例目もAAEを基礎疾患とし胸痛で来院した30歳代男性で, CTで大動脈解離は明らかでなく緊急造影を行いLMCA完全閉塞にPCIを施行し合併症なく経過した. 待機的手術で左バルサルバ洞に限局した大動脈解離を認め, 人工血管置換術を行い良好に経過した. LMCAを責任病変とする心筋梗塞を合併した急性大動脈解離に対しては, 手技的リスクは高いもののPCIによる血行再建を行うことが救命のために必須と考える.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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