心臓
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第28回 臨床不整脈研究会
断線によるCRT左室リード留置部位の変更で異なる臨床経過を呈した3例
長谷川 祐紀和泉 大輔大槻 総飯嶋 賢一八木原 伸江佐藤 光希池主 雅臣南野 徹
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2016 年 48 巻 SUPPL.2 号 p. S2_179-S2_186

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抄録

CRT-D植込み後,左室リード断線による心不全悪化をきたし,冠静脈狭窄のため異なる部位への再留置を余儀なくされた3症例を経験した.3例とも左室リードは単純牽引で用手的抜去可能であった.

症例1:68歳女性.拡張型心筋症(DCM,EF=37%,QRS=132ms,NYHAⅢ),徐脈性心房細動,心室頻拍のためCRT-Dを植込み,NYHAⅡに改善した.植込み8年2月後に左室リード断線をきたした.後側壁側から側壁側への再留置となり,その後初回留置後より利尿剤の減量が可能となった.

症例2:71歳男性.DCM(EF=32%,QRS=180ms,NYHAⅢ)のためCRT-Dを植込み,NYHAⅡに改善した.2年3か月後に左室リード断線をきたした.心室刺激閾値高値や横隔神経捕捉のため目標領域への留置が困難であり,中心静脈経由で後側壁側に再留置したが,心不全は改善せず術後54日目に死亡した.

症例3:57歳女性.DCM(EF=17%,QRS=190ms,NYHAⅢ)のためCRT-Dを植込みNYHAⅡに改善した.4年7か月後に左室リード断線をきたした.前側壁側から前壁側への再留置となり,その後心不全が悪化した(NYHAⅢ).

結語:左室リードの再留置時には,同部位への留置が困難となる可能性,他部位への留置によりCRTの効果が異なる可能性を考慮する必要がある.

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© 2016 公益財団法人 日本心臓財団
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