心臓
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[症例]
抗結核薬が有効であった effusive constrictive pericarditisの1例
吉田 雅博水野 智章余語 美奈鶴見 尚樹加藤 寛之岡田 卓也村上 央加田 賢治坪井 直哉
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2017 年 49 巻 12 号 p. 1249-1254

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抄録

症例は66歳の女性.既往歴は体質性黄疸と慢性無痛性甲状腺炎.倦怠感と腹部膨満感を主訴に来院,画像検査で中等量の心囊水と胸・腹水貯留を認め,精査目的で入院した.各種血液,画像精査で悪性腫瘍,甲状腺機能低下症,膠原病等を認めず,病状の改善がないため,心囊穿刺と穿刺前後の左室右室同時圧測定を施行した.右室圧波形はdip and plateauで穿刺後も拡張期圧低下を認めなかったため,effusive constrictive pericarditisの診断に至った.心囊液の結核菌Polymerase chain reaction:PCRは陰性だったが,adenosine deaminase:ADA高値であることから結核性心膜炎を考慮し,抗結核薬を開始した.治療開始3週間後の右心カテーテル検査では右室拡張末期圧低下,胸水や浮腫の改善を認めた.

 Effusive constrictive pericarditisは臓側心外膜の硬化と心囊水貯留をきたす疾患で,急性心膜炎を起こす原因疾患すべてが原因となりうる.結核性であっても心囊水の結核菌塗沫,PCR,培養の陽性率は低い.抗結核薬治療の効果判定に右心カテーテル検査が有用であった.

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© 2017 公益財団法人 日本心臓財団
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