2017 年 49 巻 5 号 p. 497-501
症例は66歳男性.運動中に突然卒倒し心肺停止状態となった.Bystanderによる心肺蘇生が施行され,自動体外式除細動器による電気ショックが実施され当院へ搬送された.緊急冠動脈造影検査で左前下行枝に99%狭窄を認め,同部位へステント留置術を施行した.第1病日夜間に吐血し上部消化管内視鏡検査でMallory-Weiss症候群と診断した.保存的加療を行ったが第7病日に再出血からショック状態となり,輸血を行った後に出血部位へ内視鏡的止血術を施行した.以後安定し第24病日に独歩退院した.心肺蘇生が原因と考えるMallory-Weiss症候群の1症例を経験した.稀な合併症ではあるがショック状態となりうる注意すべき合併症であるため報告する.