2018 年 50 巻 11 号 p. 1230-1233
症例は60歳,男性.急性冠症候群(acute coronary syndrome;ACS)の診断で,右橈骨動脈アプローチで緊急冠動脈造影検査を施行した.右鎖骨下動脈起始異常(aberrant right subclavian artery;ARSA)であったため,診断カテーテルの操作に難渋した.エクステンションカテーテルであるGuideLinerTMを用いることで,動脈アプローチ部位を変更することなく,経皮的冠動脈形成術(percutaneous coronary intervention;PCI)を完遂し得た.検索した範囲では,ARSA症例に対する右橈骨動脈アプローチでのPCIで,GuideLinerTMを用いて手技を完遂し得た報告はない.