心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
[症例]
静脈うっ滞性下腿潰瘍に対し,左腎静脈ステントが奏功したナットクラッカー症候群の1例
菅野 道貴星野 祐二村上 雄二布田 紗彩尾崎 功治瀬筒 康弘田中 俊江福泉 寛横井 宏佳
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 53 巻 1 号 p. 71-79

詳細
抄録

 症例は70歳代女性.約10年来の難治性左下肢腫脹,および半年前より左下腿にうっ滞性の皮膚炎,潰瘍形成,疼痛による歩行困難を合併していた.エコー上,明らかな下肢静脈の逆流は認めなかったが,造影CTにて左腎静脈にナットクラッカー様の狭窄所見,および同静脈より分岐する左卵巣静脈に逆流が疑われた.9Frシースを右内頸静脈に挿入し,下大静脈を介して左腎静脈遠位部にカテーテルを通過させ,血管造影を施行した.造影上,左卵巣静脈に逆流所見を認め,その末梢は骨盤内静脈叢を介し左内腸骨静脈に流入,左下肢静脈に過剰な静脈負荷をかけている状態であった.左腎静脈の狭窄による下肢静脈不全と判断し,左腎静脈ステント留置術を施行した.ステントはベアメタルステントSMART® 14×40 mmを使用した.ステント留置直後より卵巣静脈の逆流は消失した.術翌日より下肢疼痛は消失し,数日後に皮膚炎も軽快,潰瘍も完治した.ナットクラッカー症候群により下肢静脈にうっ滞性病態を呈した症例に対し腎静脈ステントが奏功したことを報告する.

著者関連情報
© 2021 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top