心臓
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[臨床研究]
企業健康診断における心電図左室肥大の併存割合と臨床的意義についての検討
関塚 宏光三宅 仁
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2021 年 53 巻 10 号 p. 1061-1069

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抄録

 企業健康診断(健診)を受検した30~74歳の19,757名を対象として,心血管系疾患(cardiovascular diseases;CVDs)発症リスクが高いとされる心電図左室肥大(electrocardiographic left ventricular hypertrophy;ECG-LVH)の併存率を調査した.その中でECG-LVHを有する495名(ECG-LVH群)に対して年齢,BMIを一致させた対象者495名(Control群)を設定し,ECG-LVHを有する対象者の背景を調査した.本調査は単施設における記述疫学調査および症例対照研究である.ECG-LVHの併存率は,542名(2.7%)であった.症例対照研究ではControl群に比較してECG-LVH群で収縮期血圧(p<0.001)と拡張期血圧(p<0.001)が有意に高かった.また降圧薬内服のない対象者では,Control群と比較してECG-LVH群で収縮期血圧(p<0.001),拡張期血圧(p<0.001),高血圧の割合(p<0.001)が有意に高かった.降圧薬内服中の対象者では,Control群と比較してECG-LVH群で平均収縮期血圧が有意に高かった(p=0.007).企業健診で降圧薬内服のないECG-LVHを有する対象者はCVDs発症リスクを下げるために特に血圧管理が重要である可能性が考えられた.

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