心臓
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[症例]
抗凝固療法施行中にもかかわらず繰り返し多発性動脈塞栓を発症した非細菌性血栓性心内膜炎合併肺がんの2症例
佐藤 美和鶉橋 亜希乃小野 あや子永野 亜津沙星 友香氏家 恭子加藤 浩
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2021 年 53 巻 11 号 p. 1193-1203

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抄録

 多発性動脈塞栓を反復した非細菌性血栓性心内膜炎(nonbacterial thrombotic endocarditis;NBTE)合併の肺がん2症例を経験した.

 症例は60代男性,肺腺癌2例.症例1はStage Ⅳ,症例2はStage Ⅲbの進行がんで,いずれも神経学的異常所見を伴う脳梗塞が初発症状であった.精査にて進行肺がんが判明,経胸壁心エコー検査(transthoracic echocardiography;TTE)で疣腫を認めNBTEによるTrousseau症候群合併例と診断した.2例ともに抗凝固療法実施にもかかわらず,脳梗塞発作はそれぞれ2回以上,症例1では脾梗塞,症例2では脾,腎梗塞と多臓器にわたり動脈塞栓症を認めた.2例とも肺がんの進行により他界したが,TTEでNBTEの生前診断ができ,抗凝固療法開始後のDダイマーおよび疣腫サイズの経時的変化を観察しえた症例として文献的な考察を加えて報告する.

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