心臓
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[臨床研究]
塞栓源不明脳塞栓症患者における発作性心房細動の検出について
石澤 悠樹屋代 祥典金子 一善中田 茂和宮脇 洋
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2021 年 53 巻 12 号 p. 1305-1313

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抄録

 塞栓源不明脳塞栓症(ESUS)患者における心臓モニター[植込み型(ICM)と装着型(ELR)]の発作性心房細動(PAF)検出率,検出条件について検討した.2017-2018年に当院脳卒中センターに入院した塞栓性脳梗塞患者の中で,ESUSと診断した患者(40名)を対象とした.ICMを10名,ELRを30名に適用した.PAF検出率は全症例で35%(40名中14名)であった.心臓モニター別の検出率はICM群50%(10名中5名),ELR群30%(30名中9名)であった.厳密にESUSと診断することで既存の報告と比較し検出率が向上することが示唆された.また,全症例についてPAF検出条件を検討しBNP値の閾値を40.0 pg/mLに設定すると感度75%,特異度69.2%,24時間心電図での上室期外収縮(SVPC)数の閾値を243/日に設定すると感度76.9%,特異度71.4%でPAF検出が可能であることが示された.ELR群では,BNP値の閾値を48.8 pg/mLに設定すると感度80%,特異度66.7%,24時間心電図でのSVPC数の閾値を243/日に設定すると感度81.0%,特異度77.8%でPAF検出が可能であることが示された.ESUS患者において,医療コストと侵襲性を考慮すると,BNP値,SVPC数がcut-off値以上では,まずELRを施行すべきなのかもしれない.

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