心臓
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[臨床研究]
「スマートミール」に関するアンケート調査の実施報告
深水 亜子野村 善博甲斐 久史
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2021 年 53 巻 4 号 p. 353-359

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抄録

 「脳卒中・循環器病対策基本法」の施行に先駆け,2018年に「健康な食事・食環境」認定制度が始まった.本制度は,健康な食事を,健康な空間で提供する事業所を認証する制度であり,日本高血圧学会(Japan Society of Hypertension以下,JSHと略)をはじめ13の学協会が参加したコンソーシアムが審査・認証を実施している.第8回臨床高血圧フォーラムにおいて「スマートミール」をテーマとしたセミナーを企画し,参加者に「スマートミール」弁当を提供して,スマートミールの普及啓発と認識状況,減塩食品の認識や利用状況等の把握を行うこととした.参加者には,自記式質問票を配布,回収した.2日間で得た有効回答のべ890名のうち,重複を避けるため第1日目の回答者564名を本研究の対象とした.

 スマートミールの認知度は全体で47%,試食経験は39%であったが,職種別に比較すると保健師や栄養士で高く,医師やその他では低い結果であった.一般的な減塩食品の利用状況は75%と高いものの,JSH減塩食品リストの認知度は62%・使用経験は44%であり,スマートミールと同様に保健師や栄養士で高く,医師やその他では相対的に低い結果であった.

 近年,食の外部化が進んでいるなかで,食の提供を担う各種企業が,医師や保健師,栄養士など多職種と連携し,スマートミールやJSH減塩食品リスト等の普及を通じて「健康な食事・食環境」の整備にさらに取り組んでいくことで,わが国の健康寿命の延伸に寄与することを期待する.

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© 2021 公益財団法人 日本心臓財団
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