心臓
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[症例]
急速に進行した心肥大および繰り返す心不全を契機に診断されたAL型心アミロイドーシスの症例
井上 直也岩脇 友哉鈴木 智隆鶴見 尚樹大鐘 崇志城向 裕美子紅林 伸丈森川 修司
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2021 年 53 巻 6 号 p. 598-604

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抄録

 70歳代の男性.頻脈性心房粗動を背景とした頻脈誘発性心筋症によるうっ血性心不全で当科紹介となり,体液管理後,頻脈性不整脈に対するカテーテルアブレーション治療を行った.治療は奏功し一時的に状態は安定していたが,徐々に労作時息切れが増悪した.心不全は短期間で軽快増悪を繰り返し,心不全管理が困難となり精査加療目的で入院となった.再検した心電図では左室伝導障害がみられ,心臓超音波検査では著明な左室肥大を認めた.当初想定していた頻脈誘発性心筋症とは異なる心筋症の鑑別が必要と判断し,心臓MRI検査を追加したところ心アミロイドーシスに矛盾しない結果であった.そのためアミロイドーシスの型を鑑別する目的で腹壁脂肪生検および心筋生検,99mTc-ピロリン酸心筋シンチグラフィを施行した結果,AL(λ)型アミロイドーシスの診断となった.伝導障害を合併するアミロイドーシスとしてはATTR型が多いとされているが,本症例は予後不良であるAL型に合併したものであり,現在は化学療法の導入に至っている.心不全発症後の生命予後が不良であるアミロイドーシスを早期診断するため,その診断契機として左室肥大や心電図所見(伝導障害および低電位)の重要性を経験したので報告する.

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