心臓
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[症例]
出血性合併症にDOAC切り替えが有効であったがん関連静脈血栓症の1例
柴田 啓佑今村 正和大石 充
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キーワード: CAT, DOAC 切り替え, FP 療法
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2021 年 53 巻 6 号 p. 623-628

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抄録

 症例は74歳の男性.20XX年3月から喉のつかえを自覚し5月に近医で上部消化管内視鏡検査を受け,食道がんを疑われ紹介となった.PET-CTを含めた精査の結果,胸部中部食道がん(臨床stage Ⅱ:T3,N0,M0)および膀胱がんと診断された.食道がんは手術適応であり,6月に術前化学療法としてFP療法(5-FU+シスプラチン)を2コース受けた.FP療法施行時は末梢挿入式中心静脈カテーテルを留置し,有害事象なく行えた.7月に近医泌尿器科で経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行され,膀胱がんとの重複がんと診断された.FP療法の効果判定目的で8月に胸腹部造影CTを施行した.食道がんの縮小を認めるも,右肺動脈本幹に血栓を認めたため入院し,ヘパリン持続点滴とリバーロキサバン強化療法を開始した.入院時より認めていた肉眼的血尿が増悪し,第8病日の採血で血色素量が入院時から4 g/dL低下したため,リバーロキサバンをエドキサバンへ変更し,体重減少にあわせて低用量(30 mg)使用した.肉眼的血尿は消失し,輸血を行うことなく貧血の改善を認め,退院後に食道がん切除術を施行できた.当院におけるFP療法後のがん関連静脈血栓症を含めて考察する.

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