心臓
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[臨床研究]
起立不耐症・起立性調節障害の実態調査分析
石井 智子石井 達哉佐藤 恭子佐倉 宏
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2021 年 53 巻 7 号 p. 683-690

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抄録

 起立不耐症/起立性調節障害(以下OI/OD)の実態を把握し,診療および就学・就労支援を含む社会支援の向上を検討することを目的として,OI/OD患者を対象にインターネットアンケート調査を行った.OI/ODと診断されている患者369名の分析,ならびに重症難治群の傾向を評価・検討した.罹患期間3年以上歩行能1000 m未満の重症難治群は全体の22.2%であり,女性が顕著に多かった.また,重症難治は特定のサブタイプにはよらず出現していた.起立不耐症状の重さに加え,顕著に多彩な症状を呈し,重症難治以外の群に比べて集中力低下,動悸,息切れ,光・音過敏,体温調節障害などの症状が現れやすかった.さらに重症度・難治度によらず,効果のあった治療法はないとの回答が45.3%であった.診断における重症度・難治度の見極め,病態解明,治療法開発,社会支援が期待される.

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