2021 年 53 巻 7 号 p. 712-717
症例は70歳代女性.2018年某月に体調不良をきたし前医を受診した.血液検査でWBC・CRP・β-Dグルカン上昇を認めた.抗真菌薬を1週間ごとに外来で投与していたが,その2週間後に倦怠感,食欲不振と腎機能増悪を認め前医にて緊急入院となった.入院後ECGで頻回にTorsade de Pointes(TdP)を認め,当院救急救命センターに搬送となった.搬送後の12誘導心電図上交互脈がみられ,心エコー上は心尖部の無収縮,心基部の過収縮を認め,たこつぼ症候群が疑われた.翌日,VTが頻回に出現しstormとなったためIABP,PCPSを導入した.その後改善を認め両者を抜去した.また入院時に尿潜血,尿蛋白,MPO-ANCA陽性を認め,血管炎による腎障害が疑われたため血液浄化療法を併用しつつPSLパルス療法を施行し,腎機能の改善を認めた.ANCA関連腎炎にたこつぼ症候群を合併し,複数の因子からQT延長をきたしVT stormから回復し得た1例を報告する.