2021 年 53 巻 7 号 p. 721-727
症例は90歳女性.手根管症候群,脊柱管狭窄症を既往に持ち,6年前より軽度の大動脈弁狭窄症(AS)を指摘された.2年前には中等度狭窄まで増悪し,入院1カ月前に行われた心エコーで中等度~高度大動脈弁狭窄に加え,心室壁内の輝度の上昇を指摘され,心アミロイドーシスの併存を疑われたため精査加療目的で入院となった.心エコーで大動脈弁通過血流速度が3.71 m/s,大動脈弁口面積0.84 cm2,左室駆出率54%,心カテーテル検査で左室大動脈平均圧較差34.7 mmHg,大動脈弁口面積0.58 cm2を認め,心筋生検でATTRアミロイドーシスの所見を認めた.高度大動脈弁狭窄症とATTR心アミロイドーシスの合併した症例を経験し文献的考察を加えて報告する.