2021 年 53 巻 7 号 p. 728-735
急性心膜炎を起こす疾患として,感染性や特発性など様々な疾患があるが,膠原病による急性心膜炎は比較的稀とされている.今回,シェーグレン症候群に伴う急性心膜炎を呈し,心タンポナーデとなった症例を経験した.71歳の女性で既往に悪性疾患・甲状腺疾患があった.発熱・呼吸苦を契機とした全身精査で心嚢液の貯留を認めた.起坐呼吸となり,心タンポナーデと判断したが,心嚢液が左室後方に貯留しており,穿刺が困難であった.シェーグレン症候群の既往もあり,SS-A抗体が高値であったことからステロイドを投与したところ著効し,開始2日後には心嚢液はほぼ消失した.経過が典型的でない急性心膜炎の症例では,シェーグレン症候群などの膠原病性心嚢液貯留も考慮すべきことを示唆する症例と考えられた.