5年間経過を観察した三尖弁閉鎖不全を伴った心臓横紋筋腫の19歳男子例に開心手術を行い良好な経過をとった症例を報告した.
腫瘍は,心室中隔より右室前壁にかけて連続性を有したビマン性,超鳩卵大腫瘍で,臨床的には右室腔の狭小化,胸部鈍痛,組織学的には定型的spider cenを有するビマン型の本症であった.
体外循環下に開心, 腫瘍の部分切除, 三尖弁形成(Kay)を行い,症状所見ともに著明な改善を認めた.
併せて,本邦報告例を集録整理し,19例について,特に診断面でのUCGの有用性,手術的療法の効果を検討し,たとえ,姑息的手術でも病態に適した術式を選ぺぽ,本症の予後は比較的明るいものと考えられた.