心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
症例 心拍数依存性完全左脚ブロック(Phase 3 Phase 4 ブロック)を示したSick sinus syndrolmeの1例
益海 信一朗松本 博光堤 健加藤 敏平後藤 晃長田 洋文春見 建一高場 利博
著者情報
ジャーナル フリー

1978 年 10 巻 4 号 p. 435-440

詳細
抄録
従来同一症例に,頻脈,徐脈両者依存性の一過性脚ブロックを認めた報告は比較的少ない.我々はSick sinussyndromeに,心拍数依存性の左脚ブロック像を示した1例を経験したので報告する.入院時心電図では,房室接合部補充収縮洞房ブロックを認めたためSick sinussyndromeと診断した.さらに,P波につづき正常伝導に近いQRS波形と完全左脚ブロック波形が混在し,終夜モニター心電図記録からR-R間隔0.7秒以下,ないしは1.24秒以上ではQRS幅0.14秒の完全左脚ブロック像が出現,0.7秒-1.24秒の間では正常に近い伝導を示した.補充収縮は完全左脚プロヅク像を示したが,ヒス東電位を有しヒス束上由来であることが示唆された.以上より本例の不整脈はPhase 3, Phase 4 blockによるものと思われ,Sick sinus syndromeに合併したまれな症例と考えて報告した.
著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top