心臓
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症例 一過性の高度房室ブロックを示したスポーツ心の1例
浜本 肇井口 秀人藤山 佳秀牧野 邦雄北嶋 正智山下 滋夫馬場 道夫竹田 晴彦加藤 孝和高梨 忠寛徳岡 武夫北村 和人
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キーワード: 心筋酸素消費量
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1978 年 10 巻 6 号 p. 611-617

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抄録
高校時代800mと1500mの新記録を作った優秀な中距離ラソナーである30歳の男子に高度房室ブロックを認めた.これは激しいトレーニングを行う期間の安静時にみられるが,軽い握力負荷により第1度房室ブロックに戻り,迷走神経刺激により再び容易に高度房室ブロックとなる.しかしトレーニングを休む冬期の安静時には第1度房室ブロックを示し,迷走神経刺激によっても高度房室ブロックを再現することは出来ない.また胸部X線心音図,超音波心工澱一図等の所見からも基礎疾憲は考え難く,従ってこの高度房室ブロックは機能的なものでいわゆるtraini Rgvagotonyと呼ばれる迷走神経緊張状態によるものと考えられ,長期間の激しいトレーニソグに対する生理的適応現象と思われる.
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© 公益財団法人 日本心臓財団
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