心臓
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研究 心血管造影法による右心室容量計測に関する検討
島崎 靖久川島 康生森 透北村 惣一郎中埜 粛大山 朝賢友国 隆八木原 俊克別府 慎太郎横田 侃児
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1979 年 11 巻 2 号 p. 163-170

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抄録
心血管造影法による右心室容量測定は,その形態が複雑なために遅れていたが,最近左室容量と同様な方法で求める試みがなされてきている.著者らは可変シリコンゴムを用いて右室腔鋳型を作成し,これの2方向撮影像からarea-legth法およびSimpson法則により鋳型容量を算出した.実際の鋳型の容量は水置換法にて求めた.造影像からの計測値との間にはアンギオカットフィルムではarea-length法で実測値(Vt)=0.828×計測値(Vc)+0.159(ml),Simpson法則でVt=0.856×Vc+2.520(ml),いずれもr=0.995の相関を得た.シネ撮影では鋳型を角度を変えて検討した.どの角度においてもarea-length法でVt=0.759×Vc-0.193(ml)(r=0.984),Simpso難法則でVt=0.758×Vc+1.520(ml)(r=0.980)を得た.これらの一方向撮影像だけからでは相関は悪く,2方向撮影像の必要性を示した.右室容量の経時的変化は左室のそれとよく類似していた.
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