1979 年 11 巻 5 号 p. 507-513
過去2年間に,肺動脈閉鎖を伴った9例に対し動脈管拡張を目的とし,Prostaglandin E1を経静脈投与した.投与後8例に動脈血酸素分圧の上昇を認め有効であった.合併奇形の存在,成長に伴う短絡手術手技・術後管理難易の変化,および動脈管壁器質化による永続する開存性などを考慮し,可能なかぎり長期投与を行った.投与中種々の副作用を認めたが血圧下降,低ナトリウム血症,発熱,痙攣が主なものであった.しかし,多くは対症的に克服できるものであった.また間歌投与法を取り入れることにより,副作用出現頻度も低下するように思われた.