心臓
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総説 ヒスタミンの心臓作用
千葉 茂俊
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1980 年 12 巻 8 号 p. 787-795

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抄録
Histamineの哺乳動物心臓に及ぼす作用についてはH1およびH2-receptorを介する直接作用と交感神経系を介する間接作用に大きく分けることができる.しかしH1とH2-receptorの存在は種差によって異なるし,また心臓の部位によってかなり異なることがわかってきている.陽性変周期作用に関しては小動物(モルモットや家兎)ではH2-receptorを介し,イヌではH1-recepterを介するようである.Histamineの陽性変力作用に関して.小動物の心房筋ではH1-およびH2-receptorを介するという報告が多いが,心室筋ではH2-receptorのみを介すると考えられる.またH2-receptorを介する場合にはcyclic AMPの増加を伴うとの報告が多い.イヌではH1-receptorを介する収縮力増強作用が考えられている.Histamineによる房室伝導障害はすべてH1-receptorを介することが報告されている.
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