心臓
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臨床 体位変換によるフランク誘導法ベクトル心電図の変化
伴野 祥一関 顕今鷹 耕二藤井 潤村田 和彦
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1981 年 13 巻 1 号 p. 11-15

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抄録
ベクルトル心電図を用いてモニターを行うと体位変換による変化が認められる.われわれは心筋梗塞,心房細動を除く100例につき,右側臥位,左側臥位,坐位のFrank法ベクトル心電図を撮影し,その所見を仰臥位における記録と対比検討した.(1)最大QRSベクトルの大きさは,左側臥位での増大が著明で,水平面,正面で有意に増大した.その他,右側臥位と坐位での左側面での増大と,坐位での水平面,正面での減少が有意であった.空間最大QRSベクトルも左側臥位で平均26.5±25.6%と有意に増大し,右側臥位でも有意に増大したが,増大率は軽度で,坐位では有意の変化はなかった.(2)半面積ベクトルは,坐位ならびに両側臥位において水平面,左側面で反時計方向に偏位した.最大QRSベクトルについても同様の傾向がみられたが,前者ほど明瞭ではなかった.(3)最大Tベクトルは左側臥位の水平面と正面,右側臥位の左側面で増大し,左側臥位では各面で反時計方向に偏位した.
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