心臓
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臨床 房室伝導のgap現象
長島 道夫伊藤 明一篠田 晋鈴木 彦之
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1982 年 14 巻 12 号 p. 1495-1500

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抄録
His束心電図記録下に早期心房刺激を試み,房室伝導のgap現象について検討を加えた.Gap現象は200例中12例(6%)に観察された.Damatoらの分類に従うと,房室結節での伝導遅延によりHis-Purkinje系でのブロックが消失するI型が6例に,His-Purkinje系近位部での伝導遅延によりHis-Purkinje系遠位部での伝導が可能となるII型が4例に,His束内での伝導遅延の結果His-Purkinje系でのブロックが消失するIII型が1例に,房室結節近位部での伝導遅延により房室結節遠位部での伝導が可能となるIV型が5例に認められた.このうちI型とII型の両型を示したものが1例,I型とIV型の両型を有したものが3例であった.房室結節の伝導遅延が関与するI,IV型8例中6例は,房室結節重複伝導路の所見を示し,房室結節重複伝導路の存在がgap現象の発現に大きく関与していると考えられた.
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