心臓
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研究 軽症高血圧における習慣的運動の降圧効果
神宮 純江高橋 紀子生田 純男今村 英夫進藤 宗洋田中 宏暁
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1983 年 15 巻 5 号 p. 513-519

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抄録
最近習慣的運動により降圧が得られることが示唆されている.われわれは保健所活動の一環として過去5年間,運動による健康作り教室を指導してきた,今回高血圧と運動に的をしぼり2つの面より検討し,次の結果を得た.(1)軽症高血圧者45例を対象にして,最大酸素摂取量(VO2max)の50%の運動を1回20分間以上,週3日以上の頻度で3~4カ月行うことによって,平均血圧が女性で108.5±1.7mmHg(平均値±標準誤差)から103.1±2.2mmHg(P<0.01)へ,男性で110.7±2.1mmHgから103.2±2.2mmHg(P<0.01)へど有意の降圧が得られた.(2)体力の指標である最大酸素摂取量により受講者を3クラスに分けて血圧値との相関を検討した結果,体力の劣る者ほど血圧が高く,高血圧の頻度も高かった.(3)以上より軽症高血圧に習慣的な運動は降圧効果が期待しうること,および活動的な生活習慣は高血圧の予防に効果があると思われた.
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