心臓
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臨床 心筋梗塞における梗塞量梗塞部位と左心機能との関連性
Radionuclide Angiographyによる非侵襲的定量解析
今井 進高橋 雅治河合 恭広金澤 紀雄神田 洋石澤 慶春鈴木 忠村田 和彦井上 登美夫石原 十三夫
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1983 年 15 巻 7 号 p. 767-772

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抄録
貫壁性心筋梗塞における梗塞の部位ならびに広さの左心機能に及ぼす影響を検討するため,前壁梗塞16例・下壁梗塞11例および対照10例に201Tl心筋Scintigraphyならびに99mTc-HSA Radionuclide Angiography(平衡法)を施行した.前壁梗塞群は下壁梗塞群に比し左室駆出率(LVEF)の低下が著明であったが,梗塞量については両群間に差はなく,梗塞量が同程度の場合,前壁梗塞群でLVEFの低下が著明であった.また前壁梗塞群ではLVEFは梗塞量と負の相関を示したが,下壁梗塞群では相関を示さなかった.以上より,心筋梗塞での左心機能の障害には梗塞巣の広さのほか,梗塞部位が密接に関与することが示唆される.
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