症例 mixed connective tissuediseaseに合併し,prazosin投与により改善した肺高血圧症の1例
1984 年 16 巻 3 号 p. 303-308
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1984 年 16 巻 3 号 p. 303-308
33歳女性.昭和54年よりレイノー現象, 昭和55年白血球減少, 抗核抗体陽性を認めた. 昭和56年7月より多関節痛, 労作時呼吸困難を生じ, 抗RNP抗体が強陽性であった. 臨床的, 血清学的に mixed connective tissuediseaseと診断された. 心電図上右室肥大所見を認め昭和57年8月の右心カテ検査では肺動脈圧 80/37mmHg, 全肺血管抵抗(TPR)1,778dyn・s・cm-5と肺高血圧を認めた. 心係数は1.70 l/min・m2 であった. α 受容体遮断薬 prazosin 1.5mg の投与で肺動脈圧 70/34mmHg,TPR 1,153 dyn・s・cm-5, 心係数 2.41l/min・m2と改善し, 以後1日量 4.5mgの内服を続けた. 2カ月後の右心カテ検査では prazosin休薬1日後でも肺動脈圧 74/32mmHg,TPR 1,073dyn・s・cm-5と低下しており, 2.5mgの投与でさらに肺動脈圧 65/25mmHg,TPR 798dyn・s・cm-5まで低下した. 心係数は 2.49 l/min・m2から3.05l/min・m2まで増加した.自覚的にも労作時呼吸困難は改善した.
