心臓
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臨床 超音波パルス・ドプラー法による心室中隔欠損症(VSD)の部位診断
宮沢 総介鈴木 茂中野 雅道森田 紀代造鈴木 和彦水野 朝敏堀口 徹高安 英樹新井 達太
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1985 年 17 巻 2 号 p. 139-146

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抄録
超音波パルス・ドプラー法によって,VSD26例の部位診断を試みた.短絡血流に起因すると考えられる異常血流速スペクトラムが検出される部位と手術あるいは造影検査によって診断した部位を比較した.その結果,両検査法による診断はよく一致することがわかった.すなわち,perimembranous VSDの多くは三尖弁近傍に,subarterial VSDの全例が肺動脈弁直下にて短絡血流を検出し得た.また,infundibularVSDの2例中1例は右室流出路で異常血流を検出し得た.
VSD部位診断における本法の利点は,断層心エコー図法のみでは診断がつきにくい小さなVSDでも,短絡血流を検出することによって間接的に部位診断が可能な点にあり,これによってVSD部位診断はさらに正確に行うことが可能となった.
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