心臓
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症例 同胞3人にみられた動脈管開存症の手術経験
帖佐 信行森下 靖雄上原 景光丸古 臣苗平 明
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1986 年 18 巻 2 号 p. 161-166

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抄録
動脈管開存症(PDA)は先天性心疾患の中でも高頻度にみられるが,同胞発生率は低い.PDAの1人罹患後の同胞発現率は文献的には2%前後であるが,2人罹患後の同胞発生になるときわめてまれである.今回われわれは同一家族3同胞に発生したPDAを経験したので文献的考察を加えて報告した.第1子は4歳時,第2,3子はすでに肺高血圧症を呈していた2歳時に当科において動脈管結紮術を受けた.
第1子は胸骨左縁第2肋間に連続性雑音を聴取したが,第2,3子は2歳時,同時に収縮期雑音のみ聴取し,心カテ検査でもPp/Psはそれぞれ0.63,0.78と高度の肺高血圧症を呈していた.3症例ともPDA以外の心・血管系の合併奇形はなく,母親の妊娠期間,分娩経過中とも異常は認めていない.
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