心臓
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臨床 左冠動脈主幹部病変の形態的分類
鬼頭 義次小原 邦義小坂井 嘉夫川副 浩平藤井 尚文藤田 毅
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キーワード: LMT, LMT分類, CABG
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1988 年 20 巻 3 号 p. 263-268

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抄録
冠動脈バイパス術を施行した616例中左冠動脈主幹部(LMT)に50%以上の狭窄を有するLMT病変103例を対象としてLMT病変の形態的分類を行い,特に冠危険因子との相関について検討を加えた.LMT病変は大動脈の起始部に狭窄を認めるA型(大動脈起始部型),LMTが左前下行枝と左回旋枝の分岐直前に狭窄を認めるB型(分岐部型),LMTの中心部に狭窄を認めるC型(中心部型)および,LMTの全体に病変の及ぶD型(び漫性型)に分類した.その頻度は各々16%,53%,14%,17%であった.A型はLMT単独病変で,高血圧や血管病変を合併する頻度が高かった.B型は最も頻度の高いLMT病変で,末梢冠動脈病変を合併し,冠危険因子として高脂血症や家族歴の頻度が高い特徴を認めた.C型は末梢冠動脈病変を合併する頻度が高いが,冠危険因子の合併には特徴的な傾向を認めなかった.D型は強度のLMT狭窄病変を有し,血管病変や末梢冠動脈病変を合併し,冠危険因子として糖尿病を合併する頻度が高い傾向を認めた.
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