心臓
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研究 労作性狭心症に対する他剤併用下におけるtrapidilの効果
運動負荷時心拍数-ST関係による解析
前原 和平木下 弘志井上 寛一伊藤 信彦高橋 透清水 芳雄猪岡 英二滝島 任
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1988 年 20 巻 4 号 p. 403-412

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抄録
軽症あるいは抗狭心症薬により良好なコントロールを得ている労作性狭心症14例を対象に,trapidil 300mg/日を4週間投与し,その前後で自転車エルゴメーターを用いた同一プロトコールの多段階漸増負荷試験を施行した.心拍数,心電図ST偏位はマイコンにて自動計測し,そのトレンドからST下降開始点を認識し,最大負荷時までのΔST/ΔHRを求めた.その結果,trapidil投与により,血圧,心拍反応に有意な変化は認められなかったが,ST下降は最大負荷時(0.17±0.08mV対0.13±0.07mV, p<0.05),負荷終了30秒後,1分後で有意な改善を認めた.またST下降開始時間,閾値心拍数は増加傾向,ΔST/ΔHRは減少傾向を示した.このことは心仕事量に対する心筋虚血の発生,進展の改善を意味し,trapidi1の抗狭心症薬としての有用性が示唆された.
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© 公益財団法人 日本心臓財団
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