心臓
Online ISSN : 2186-3016
Print ISSN : 0586-4488
ISSN-L : 0586-4488
症例 心臓原発悪性線維性組織球腫の1例
佐々木 成一郎谷口 巌荒木 威原 宏森 透安達 博信湯本 東吉宮田 誠都田 潤一郎
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 20 巻 9 号 p. 1128-1132

詳細
抄録
心不全で発症した心臓原発の悪性線維性組織球腫(malignant fibrous histiocytoma;MFH)の1例を経験した.心タンポナーデの解除により一時的に小康を得たが放射線療法,化学療法の効果なく呼吸困難が進行し,発症8カ月,入院6カ月で死亡した.生前の検査では,血性心嚢液の細胞診はClass IIIで,心エコー検査では左房内に広基性に突出した固定性の腫瘤が内腔を占拠し,大動脈を前方に圧排していた.剖検では,腫瘍は心基部を中心に広範にひろがり左室心外膜下に浸潤し,病理組織学的にMFHと診断された.文献的考察を加え報告する.
著者関連情報
© 公益財団法人 日本心臓財団
前の記事 次の記事
feedback
Top