抄録
昭和52年11月から昭和62年12月までに宮崎医科大学小児科を受診したDown症候群に合併した心室中隔欠損31例(男子13例,女子18例)と初診時年齢が1歳未満の合併症を伴わない心室中隔欠損447例(男子217例,女子230例)の自然閉鎖について比較・検討した,Down症候群の初診時平均年齢は22カ月と高く,平均観察期間は合併症を伴わない患者の34カ月に比べ26カ月と短いにもかかわらず,自然閉鎖率は32.3%であり,合併症を伴わない患者の26.2%より高い傾向がみられた.閉鎖時の年齢分布は両群で類似していた.